設立の目的

JBSAは、固体バイオ燃料が国際規格に沿って生産、取引、消費され、我が国がその規格策定に主導的な役割を果たすために、ISO第238専門委員会等での情報収集・提言、国際規格の国内普及に向けた活動等を行い、バイオマス産業および農林水産業の発展に寄与することを目的とする。

設立の趣旨

我が国では、2002年のバイオマス・ニッポン総合戦略、2012年の再生可能エネルギー電力の固定価格買い取り制度(FIT)等の施策によって、バイオマスを薪、チップ、ペレット、木炭等の固体バイオ燃料に加工し、熱や電力に利用する動きが着実に増している。特にFIT導入以降に固体バイオ燃料の輸入量が劇的に増加しており、木質ペレット燃料を例にとると2023年には輸入量が500万トン超となっている。また国内では新たなバイオマス燃料としてバイオコークスや半炭化燃料等の開発も進められている。しかしながら、標準規格化された固体バイオ燃料に基づく燃焼機器/プラント設計等が充分になされる環境は整っておらず、経済指標による市場動向に左右される状況となっている。消費者が固体バイオ燃料を安心・安全に利用するには、共通の基準やルールの下に、品質を担保した燃料が生産され、災害や事故が起きにくい、あるいは最大限に防ぐことを想定した安全・保全設計のルール作りなど、固体バイオ燃料が安全確実に取り扱われることが極めて重要である。

固体バイオ燃料の国際規格は、欧州で2005年にEN規格が策定された後、2014年にEN規格を原案にISOが策定された。その一方で、我が国では、これら規格を参考にしながらも、業界団体がそれぞれ独自に規格を制定して、統一した基準やルールが整っていない状況にあった。このような中、2023年に「JAS0030木質ペレット燃料」がISO 17225-2(第1版)に準拠した国家規格として発行された。

しかし、木質ペレット以外の燃料規格の整備は不十分であり、今後ISOに準拠した国家規格を検討するとしても、我が国特有の気候、樹種特性などを配慮するとISOが必ずしも我が国の実情を反映しておらず、国際規格を策定するISO/TC238委員会に対して、我が国の状況を考慮した規格策定や修正を求めていく必要がある。

そこで、ISO/TC238委員会へPメンバー資格で参画して、固体バイオ燃料が国際規格に沿って生産、取引、消費され、我が国がその規格策定に主導的な役割を果たすために、ISO/TC238での情報収集・提言、国際規格の国内普及に向けた活動等を行い、バイオマス産業および農林水産業の発展に寄与することを目的に、「一般社団法人固体バイオ燃料標準化協議会(JBSA)」を設立する。固体バイオマス燃料の生産、消費、取扱、開発に係る皆様におかれましては、本趣意書にご賛同いただき、JBSAへ参画頂けると幸いである。

これまでの経緯

2019年4月1日固体バイオ燃料国際規格化研究会(SBFJ)設立
ISO/TC238における日本のPメンバー化のためのプラットフォーム形成を目的に、有志らで任意団体SBFJを設立
2021年2月1日SBFJの活動等により農林水産省内にOメンバー地位で国内審議委員会設置
2023年9月1日SBFJを母体とする一般社団法人固体バイオ燃料標準化協議会(JBSA)設立
2023年9月27日第1回ISO/TC238国内審議委員会開催
「ISO/TC238国内審議団体を、農林水産省環境バイオマス政策課からJBSAに移管すること」を委員会に諮り、委員全員の賛成で議決
2024年1月14日ISO/TC238国内審議団体としてJBSAが日本産業標準調査会(JISC)から承認を受ける
2024年3月13日日本産業標準調査会(JISC)からISO/TC238(固体バイオ燃料およびバイオカーボン) の 参加地位変更(OメンバーからPメンバーへ) の承認を受ける